創作同人誌個人サークル「ミルキー・SNOW」の中の人の雑記。 イラスト・模型・写真・日々の戯言その他色々。
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シャドーペインss
2012-07-04 Wed 00:59
fgに投稿した改造レイノスの短編です。






「あー、あー。ゴホン…
フレイヤ、聞こえているかい?
―――……聞こえているんだろう?そんなに怖がらなくても大丈夫だ。
これは…そう、いまキミに繋がっているこの装置は、キミを完全にさせるために感情の起伏や思考パターンを最終チェックしているだけだよ。
…そうだな、そんなこと今のキミなら分かっていることだな、野暮だったよ。

今になってキミを戦場に送り出すことがこんなにも辛いことだと気付くなんて…
フレイヤ、ごめんよ。キミに澄み渡る綺麗な空を飛ばせてやれなくて。
キミを戦争の道具にしてしまったパパを許しておくれ…」






―ZAC2100年9月13日
西方大陸エウロペ ヘリック共和国領土内 ニューネリス空軍基地

レッドラスト砂漠の西、砂漠と荒野が交わる土地に佇むヘリック共和国の空軍基地に明朝、1機の飛行型ゾイドが搬入された。
ZAC2051年、いわゆる中央大陸戦争と呼ばれる旧大戦時にロールアウトされた超音速飛行ゾイド『レイノス』に似た外見をした機体だ。しかしコックピットであるはずのその部位には人の乗れるスペースは存在していない。無人戦闘ゾイドだった。
レイノスはヘリックの航空戦力を支え続けてきた名機だが、40年以上前に起こった惑星Zi大変動により個体数は急減、戦闘配備はおろか個体数の保全を行うのが最優先とまで言われたゾイドだ。ZAC2100現在、いまだ実戦配備には至っていない。

「旧大戦の名機にお目にかかれるとはなぁ…」
グスタフのコンテナから基地内のドッグに移送される機体を見上げながら整備士の一人が感嘆の声を漏らす。

「なんでも新型の量産が間に合ってないらしい。早ければ来年にでも実戦配備される可能性があるんだってよ。」
「実戦配備ってレイノスをかぁ?」
「あぁ、どうやら配備可能な個体数にまではもってこれてるって噂だぜ?」

そんな噂話好きの整備士たちの横を通過し、開発主任に挨拶を交わした基地司令官、ロゴッホ=イアンは、先ほど受諾所をサインした際に流し読みした本国からの命令書にいささかの疑問を感じえていた。
本国からの指令は以下のようなものであった。
曰く、後に実戦配備されることになるであろうゾイド「レイノス」の現役機としての評価試験を首都で行われたということ。
曰く、当基地に配備された運用機は次世代空戦ゾイドの尖兵として特殊なコア培養をされたものであるということ。
曰く、遠隔指令によるゾイドの運用と実戦配備。
曰く、器と人格の同調がうんたらかんたら。

試験機をそのまま実戦配備することは特に珍しいことではなかったが、命令書を読み進めるにつれて今回配備された機体が今までの常識外であることしか分からなかった。
搬入されたレイノスにはコードネーム『YRZ-039 シャドーペイン』が与えられていた。
機体は空中での視認性を低くするためか、グレーの塗装が施されており、旧大戦時にイアンが見たことのあるレイノスとは大きく異なるフォルムをしていた。

シャドーペインプロオジェクトの開発主任はアンヘル=ロアというニューヘリック工科大学の若手教授だ。椅子に猫背で座るその人物は年は30半ばであろうか。少しシワのできた白衣を羽織り長い銀髪を後ろで結わえていた。
「プロジェクト主任のロア教授…ですね?私はこの基地の司令官、ロゴッホ=イアンだ。」
「イアン司令官、お会いできて光栄です。えっと…まずはあの子、フレイヤについて簡単にご説明が必要ですよね?」
フレイヤ…まったくもって初めて聞く単語にイアンは疑問を抱くが、彼が何も言う前に投射モニターに搬入されたレイノスの図面が映し出された。

「フレイヤ、コードネームシャドーペインは全く新しい世代のゾイドです。それこそ最新鋭のストームソーダーすら凌ぐほどの。
今までもわが国でのスリーパーや、帝国ではケルベロス計画など無人戦闘ゾイドの計画は数ありましたが、そのどれもが中途半端の域を出ることはありませんでした。」

画面にはスリーパーゾイドとよばれる無人戦闘ゾイド、ガイサックやカノントータス、帝国の3つ首の虎型ゾイドや3機のセイバータイガーなど、第一機密とさえされる貴重なデータが次々と表示される。

「イアン司令官もご存知のとおり、スリーパーは所謂仕掛け方トラップ。自動操縦に改造されたゾイドがあらかじめ指定された範囲内に熱源反応が進入すると友軍信号を発していない場合は迎撃に向かうという簡単な仕掛けです。拠点防衛用の無人カノントータスもそれに近いものでして、範囲内の敵機を補足すると攻撃に移るという。いわば人員不足を補う無人ゾイドです。彼らには『敵と認識したものを攻撃する』という至って簡単な行動を野生体がもつ闘争本能で行うため、高度な思考というものは存在しません。」

画面は3つ首の虎型ゾイドと三機のセイバータイガーを表示する。
「また、ガイガロスの武器開発局で開発されたこのケルベロスも幻影を投射し、敵の乗り手が怯んだ隙にあらかじめプログラミングされた行動を3機のセイバータイガーによって行うというシステムですが、これはゾイドの本能そのものを押さえ込み指令中枢のみを発展させたものであり、結果的に3機とも闘争本能そのものがシステムを拒否するという結末を迎えてしまい、研究は凍結されました。」

「いま我が基地にあるあのレイノスはそれらを超えた無人機である…と?」

「えぇ…。そうですね、ガイロスの行ったケルベロス計画は、システム自体の完成度はものすごく高い代物でして。しかしゾイドも生き物である以上、支配されることを拒むのは当然のことなんですよ。ですから私はゾイドコアそのものと人類の知識の共存、もっと言ってしまえば融合を考えたわけです。
簡潔的に述べてしまいますと、シャドーペインにはその場その場で判断を下すパイロットが存在しない代わりにゾイド自らの意思で判断をします。それがフレイヤです。
ゾイドは通常、戦闘機械獣にされる際、コックピットなどの制御系等を搭載されるとゾイドそのものの意思というものは著しく低下します。
しかしシャドーペインにはパイロットとゾイドを繋ぐ制御系等が必要ない。ならばゾイド本来の意思を強調し、そこに人間的な倫理や習慣、思考パターンを時間をかけて学ばせるとどうなるか。さらにそこに莫大なデータベースを備え、個々の問題の最善の対処方法をゾイドそのものに考えさせるとどうなるか。」

…ゾイドはただの戦闘機械ではなく、物事を考え、そして自ら答えを導き出すことが可能になる。それも人間よりも機械に近い場所にいる存在である以上、処理速度や思考速度は人間の比ではなくなる。

「私はゾイドコアとスーパーコンピュータから成るそれらをひとつのシステム、一つの人格となし、それを『フレイヤ』と名づけました。」

「…なるほど。やっと君が先ほどから言うフレイヤが“誰”なのか分かった気がしたよ。」

「…当初はあと3人…3機分のゾイドコアがあったのですが…他の子たちは我々人類の知識を学ぶことに拒否反応が出てしまい…結果としてシャドーペイン一機のみが完成しました。」

ロアは目をつむり、一拍おいた後、重い表情で話を続けた。
「しかし…奇跡的に完成したフレイヤですが、一つ大きな問題を抱えています。」

「問題…?」

「フレイヤは…戦争が嫌いなのです。いや…これでは彼女を偽善者と偽ってしまうな。…もっと単純な理由でして。
ゾイドコアに性格があることは存じてます?これは極端な例えになりますが、ゴジュラスのゾイドコアとグスタフのゾイドコアを比べたらゴジュラスの方が闘争本能が強い。それと同じ様に、同じゾイド同士でも性格差はあります。…フレイヤは、その…極端に臆病なんです。
臆病だからこそ、拒否反応が小さかったというわけですが…。
…それではこれから彼女の能力の一端をお見せしましょう。」

壁に別のスクリーンが浮かび上がる。ネイビーブルーのバックに半透明の白い文字で「system:Freyja」の文字が現れる。
画面を見つめながらロアが手にしたマイクに話しかけた。

「フレイヤ、今までの会話、聞いていただろう?少しいいかな?」

しばらくの空白の後、画面に文字が打ち出された。
『> All Right』

「…なんと」
イアンの驚愕は当前のことだったであろう。ゾイドの感情が分かるゾイド乗りは数いるが、ゾイドの思考を人間基準にダイレクトに伝えるなど聞いたこともなかった。

「やぁ、しばらくぶりだねフレイヤ。」
『> Hello.』

ロアはさも当然のことのようにマイクで会話をしていた。

「ご覧のように、感情を伝えてくることも可能です。気分がのっているときはもう少しお喋りなんですが、大抵はそっけない返答が多いですけどね。」
ロアはまるで自分の娘を紹介するかのように誇らしげに述べた。

「新しいおうちはどうだい?前よりは少し狭いかな」

『> affirmation.』

「ふむ…」

『> …although, the sky to see is large.』

「…キミはフォローがうまいな。」

『> contradiction.』

「どうです?司令官。」
「…正直に言おう、驚いたよ。」

「では次にシャドーペインのスペックですが…」

壁には再度シャドーペインの図面が映し出された。
固定武装にAZ18mm対空ビーム機関砲2門。機体下部にマウントされた連射可能な60mm速射レーザー砲。
テイルユニットは大型のプロペラントになっており内部に超振動可変ブレードを内蔵。
次々と兵装やエンジンユニットの説明が行われていく。


しかしイアンは戦火を飛ぶことになったフレイヤの悲しみにまだ気付いていなかった。


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展示会出展用のレイノスのバックストーリーをつらつらと書いていたけどだんだん書くのが面倒になってきたので中途半端なとこで終わってるのはご愛嬌ってことでw
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